黒い見た目の衝撃!韓国伝統の屋台グルメ「スンデ」が今ウケる理由
スンデ と は、豚の腸の中に春雨や豚の血(ソンジ)、みじん切りにした野菜などをぎゅっと詰め込み、香ばしく蒸し上げた韓国料理を代表する伝統的なソウルフードだ。夜市や市場の湯気立つ屋台で切り分けられるその黒々とした独特のフォルムに、初めて対面する旅行者は一瞬気後れするかもしれない。しかし、熱々のひとくちを噛み締めれば、もちもちとした春雨の食感と豊かなコクが広がり、見た目との強烈なギャップに魅了される。現在、ソウル特別市をはじめとする韓国全土で愛されるこのローカルフードは、国境界限を超えた美食家たちの関心を集めている。
かつては知る人ぞ知るディープな街角のローカルフードという立ち位置だったが、旅の目的地として韓国を選ぶ若者が増える中で、スンデ と は単なるB級グルメにとどまらない深い食文化の象徴として再評価されつつある。近年の外食産業においても新たな解釈を施したスタイリッシュなメニューが続々と誕生しており、伝統とモダンが交差する独自のトレンドを形成している。
見た目とギャップのある絶品のおいしさ!豚の血と春雨が織りなす濃厚な味わいと栄養価

一目見ただけでは「グロテスク」と敬遠されがちな漆黒のビジュアル。だが、一口食べればその印象は一変する。スンデの最大の魅力は、ぷりっと弾ける外皮の食感と、中に詰まった春雨のもっちり感、そして全体をまとめる深い旨味のハーモニーだ。
黒い色の正体は、鮮度の良い豚の血(ソンジ)である。血と聞くと特有の臭みを連想するかもしれないが、ニンニクや生姜、香辛料でていねいに臭み消しがなされており、むしろレバーのような香ばしさと濃厚なコクを生み出している。さらに、鉄分やタンパク質、ミネラルが豊富に含まれており、古くからスタミナ補給の健康食としても親しまれてきた。見た目のインパクトを良い意味で裏切る上品でまろやかな味わいこそ、一度ハマると抜け出せない中毒性の秘密である。
定番の塩からトッポッキのタレまで!ソウル特別市と地域ごとに異なる人気の味付け

スンデの楽しみ方は、添えられる薬味や地域の食文化によって驚くほどバリエーションに富んでいる。首都・ソウル特別市を中心に広まる最もオーソドックスなスタイルは、塩に唐辛子粉とゴマを混ぜた特製塩(ソグム)を軽くつけて食べる方法だ。シンプルだからこそ、素材の旨味と春雨の甘みがダイレクトに引き立つ。
また、韓国の若者や屋台グルメの定番として外せないのが、甘辛いトッポッキのタレにどっぷりと浸して食べるスタイル。「トッポッキ」「天ぷら(ティギム)」「スンデ」をセットで注文する食文化は現地で根強い人気を誇り、濃厚な辛味タレがスンデの皮に絡みつく瞬間はまさに至高の味わいと言える。さらに、釜山をはじめとする南部ではサムジャン(味噌ダレ)、全羅道ではチョジャン(酢コチュジャン)を合わせるなど、地域ごとのローカルな食べ比べも奥深い魅力だ。
ペク・ジョンウォンやNetflix『ストリート・フード・ファイター』が火付け役となった世界的新ブーム

このローカルフードが世界的な注目を浴びるきっかけとなったのは、メディアを通じた情報発信だ。韓国を代表する料理人であり実業家のペク・ジョンウォンは、メディアを通じてスンデの歴史や市場ごとの名店の魅力を熱弁し、若者たちの間での再評価を牽引した。
決定打となったのは、世界中で大ヒットを記録したNetflixのドキュメンタリー番組『ストリート・フード・ファイター』だ。煙と熱気に包まれた活気溢れる市場で、熟練の職人が大鍋から大ぶりのスンデを引き揚げ、手際よく切り分ける映像は、世界中の視聴者の食欲を強く刺激した。異文化のディープな食体験を求める海外からの旅行者にとって、スンデは「韓国に行ったら絶対に挑戦すべき名物料理」としての地位を完全に確立したのである。
B級グルメの枠を超えた最新トレンド!炒め物「スンデボクム」から進化系プレミアムメニューまで
従来の「屋台で気軽につまむB級グルメ」という枠組みを超え、外食産業の最前線でもスンデの進化が止まらない。中でも高い人気を誇るのが、たっぷりのキャベツやエゴマの葉、甘辛いコチュジャンタレとともに鉄板で豪快に炒める「スンデボクム」だ。香ばしいエゴマの香りとピリ辛のタレが染み込んだ春雨の相性は抜群で、酒の肴としても絶大な支持を得ている。
さらに近年では、ソウルの聖水洞(ソンスドン)や弘大(ホンデ)といったトレンド発信地において、ロゼソースを絡めた「ロゼスンデ」や、チーズをのせて香ばしく焼き上げたグリルドスンデ、さらには高級食材のトリュフオイルを効かせたモダンアジアンレストランの進化系メニューまで登場。ストリートフードの域を超えた洗練されたディッシュとして、Z世代を中心に新たな流行を創出している。
韓国観光公社も注目する屋台グルメの歴史とディープなソウルの市場文化
スンデの歴史は古く、高麗時代にまで遡ると言われている。当時は肉や野菜を贅沢に詰め込んだ高級な料理であったが、朝鮮戦争後の物資が不足していた時代に、安価で腹持ちの良い春雨を主材料とするスタイルが定着した。この歴史的な転換により、庶民の日常を支える身近な屋台グルメとしての地位が築かれた。
現在では韓国観光公社も、ローカルな食文化を体験できる観光コンテンツとして各地の伝統市場を強力にプッシュしている。例えば、ソウルの広蔵市場(クァンジャンシジャン)や新堂洞のスンデタウンなどでは、大鍋から立ち上る湯気と香辛料の香りに包まれながら、目の前でカットされる出来立てを味わうことができる。地元の人々に交じって丸椅子に腰掛け、熱々のスンデを頬張る体験は、まさに韓国旅行の醍醐味そのものだ。
自宅で手軽に韓国旅行気分!即席パックで作る最新アレンジレシピ
「現地に行かなくても、あの本格的な味を自宅で楽しみたい」という声に応えるように、日本国内の韓国系スーパーやネット通販では、真空パックされた冷凍・冷蔵スンデの手軽な入手が可能になっている。パッケージのままボイルするか、電子レンジで温めるだけで、本場の食感が手軽に蘇る。
自宅で手軽に楽しむなら、市販のスンデを使った「簡単スンデボクム」がおすすめだ。フライパンに油を熱し、一口大に切ったスンデ、キャベツ、玉ねぎ、エゴマの葉を炒め、市販のコチュジャン、醤油、ニンニク、砂糖を合わせたタレを絡めるだけ。仕上げにすりごまを振れば、一瞬にして自宅の食卓がソウルの居酒屋へと変貌する。エアフライヤーで表面をカリッと焼き上げ、マスタードや特製塩でいただくクリスピーアレンジも、酒のつまみとして高い人気を集めている。 (出典: スンデ と は(Yahoo!ニュース))